読書が好きで口下手な男の子が、頑張って恋の一歩を踏み出す。

少年の告白

本音を言えば、清美さんとお付き合いしたい。しかし、それは無理だろう。
なぜなら、僕はぐうぜん彼女と3年間クラスメイトだっただけで、
清美さんとはただの友達ですらない。

今日の卒業式が終われば清美さんにはもう会えない。
つのる思いの中で時間は刻々と過ぎていく。僕はどうすればいいんだ。

清美さんは凄い美人というわけではない。むしろ地味かもしれないが、
僕と同じで読書が好きで、とても優しい人だということを僕は知っている。
きっと窓辺で静かに本を読む清美さんをいつも見ているうちに、
自然と惹かれていたんだと思う。
卒業してしまえば清美さんは遠くへ行ってしまう。

卒業式の最後の挨拶が終わり、周囲の人たちが解散をはじめた。

もちろん、告白すれば必ず付き合えるわけじゃない。
僕は決めた。せめてこの3年間の気持ちだけでも伝えようと、
帰路につく清美さんに声をかける。

「キミ、誰?」

僕は彼女を遠くから見ていた3年間を、心の底から悔やんだ。

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